家族、ころころ。

〜転がって、丸まって、そうしてゆっくり生きていく〜

人見知りな私、不器用なお父さん。2人の架け橋、テーマパーク。

こんにちは、きーです。
先日、母が私に新しい枕を買ってくれました。
割と高反発な長方形の抱き枕、こちらなんとシックな紺色でございます。
この子が部屋の門番に加わってから、より一層眠ることが楽しみでしょうがないです、なんてこったい!

 

今回は、「私と血の繋がった父親と再会し、頻繁に会っていた頃の話」を書いていきます。小学4年生で(もう一人の)お父さんの存在を知り、母も含め3人で会った後、私とお父さんは2週間に1度、多いときは毎週末会っていました。

 

それでは、お話しさせていただきます。

再会を果たした後、お父さんはよく私をお出かけに誘ってくれた。大体のプランは決まっていて、日曜日で1日中お父さんの仕事がお休みの時は、ほぼ確実に「キッザニア」だった。キッザニア東京ららぽーと豊洲内にある、多種多様な職業体験ができるテーマパーク。

当時小学4年生の間では、キッザニアに行ってみたい!と思う子ども達は多く、注目の的であった。初めて行った時は、会ったばかりの親戚のおじさん的ポジションの人と2人という緊張と、これが噂のキッザニアか!という興奮でとても楽しんでいた記憶がある。

しかし、月日が経つにつれ、キッザニア行き過ぎ問題が発生する。

2週間に1回、多い時は毎週末キッザニアに通ってた私は、何回職業体験すればええねん、という気持ちがだんだんと大きくなっていた。実際に行くと楽しいのだが、もう満足しました感が否めない。

「日々の生活と離れた楽しい経験は、たまに経験するからキラキラしているんだ。頻繁に経験すると新鮮さと興奮を失うんだな。」と子どもながらに思った。きっとこの経験があるから、休みのたびにディズニーに行きたいと思うことも、毎日インスタ映えを意識したキラキラ投稿をしたいとも思わないのだろう。お父さん、毎週末キッザニア生活は私には合わなかったみたい...。

 

でも、お父さんにとってのキッザニアはきっと救世主だったように思う。

テーマパークは子どもと多くの会話を必要としない。なぜなら、そこには子どもを喜ばせることができるキャスト、モノがたくさんあるからだ。そこに行けば、行くだけで、子どもは笑顔になれる。

思い返せば確かに、あまり会話をした覚えがない。キッザニア後の夜ご飯での会話は、職業体験の感想ぐらい。ちょっとだけ、学校のこと。もともと私は人見知りな上に、心を開くまでは自分から話せるようなタイプではない。きっと当時の私は、聞かれたことしか話さない子だったのかな、と思う。そんな私も、キッザニアで職業体験中では楽しく笑う。お父さんはそんな私を少し離れた場所から見て、色々と何かを思っていたのかも、と今なら思う。 キッザニアでの思い出は、私の中で鮮明に残っているお父さんとの数少ない思い出の一つだ。

 

一度離れ離れになった親子が、また親子としての仲を持ち直すとき、何が必要なのだろう。

空白を埋めるための時間か、思い出の共有か、会話か、もっと他のことなのか。

 

小学生の娘相手に、思い出の共有はきっと難しい。

離婚した当時、私は2歳。物心がはっきりしていなかったし、共有する思い出すらない。赤ちゃんの頃の話をされても、そうなんだー、くらいにしか思えなかった。

会話をするにしても、身の回りのことぐらい。そのくらいの話は、誰とでもする。

 

正直な話、今でも私はお父さんを「お父さん」として見ることができない。見ることができないというのは、何らかの嫌悪感などから見ようとしているわけではなく、単純に分からないのだ。私にもお父さんにも、別の親・別の子ども・別の家庭がある。再会した日から現在まで、私の心の中でのお父さんの位置付けは、たまに会えば話すおじさんなのだ。

 

血の繋がった親子でも、口数の少ないおとなしい親に育てられれば、会話は多くなくても親子だ。信頼関係が成り立っている親子だって見かける。

単身赴任等でなかなか会えていない親子でも、仲がいい親子はいる。

何の認識が、何の経験が、親子を「親子たり得るもの」となっているのか。

私はいつになったら、何をすれば、お父さんを「お父さん」と思うことができるのだろうか。お父さんと思いたいのだろうか。お父さんと思う必要はあるのだろうか。

 

そんなことを考えるきっかけになったのは、紛れもなく血の繋がったお父さんであり、この経験は後々3人目の父親サブと暮らす時にも考えざるを得ない問いだった。自分なりの答えができるのはもう少し先の話である。

 

今回は、お父さんと私が頻繁にあってた頃の話を書きました。次回は、「私が初めてお父さんの新しい家族に会った時の話」について書こうと思います。私が「親子たり得るもの」が何か、少しわかったような気がした時期です。

読んでいただき、ありがとうございました^^