家族、ころころ。

〜転がって、丸まって、そうしてゆっくり生きていく〜

店内に並ぶおもちゃ欲しさに駄々をこねる子供のようで。

こんにちは、きーです。
私は、基本、コンタクトレンズなのですが、本日メガネを新調しました!
目を休めるのにいいかなぁと思ったのと、持っているメガネが4年前に作ったやつなのでさすがに新調。
流行りの丸メガネを購入したのですが、店員さんに「木こりみたいですね」と言われました。(どないやねん)
店員さん、木こりを見たことあるのかなぁ〜。

 

 

前回は、「お父さんと会わなくなったきっかけ」について書きました。少しだけお父さんをディスらせていただいています。

keeyhtn.hatenablog.com

 

今回は、私の経験談ではなく、後日、母から聞いた昔の話について書いていきます。「お父さんが、娘に会いたいと言いだした経緯」についてです。

 

 

それでは、お話させていただきます。

  

季節は知らないが、天気のいい昼下がりにその瞬間は訪れた。

 活気溢れる商連街を歩く、女子小学生の集団のうちの1人。

身長で判断するに、きっと年齢は小学3,4年生ぐらいだろう。

 

「あの子は絶対に、娘だ。」

 

友達と楽しそうに笑っている素朴な私を見たお父さんは、一目で自分の娘だと確信したらしい。

 

「娘がこんな近くに住んでいたなんて。こんな偶然に出会えるなんて。」

 

すぐさま駆け寄り、不審がられてしまうことを承知で「おじさんは、君のお父さんなんだ。」と声をかける、なんて野蛮なマネをしなかったのは、祖母の住む家も母の連絡先も知っていたからだろう。

 これを奇跡と呼ばなくてなんと呼ぶんだろう、あんなにもすくすくと育って、あの子は私の娘に違いない。会いたい。今すぐにでも会いたい。

帰路に着く頃には、娘に会いたいという気持ちと、どうすれば会えるのかということしか考えられなかったらしい。

前触れもなく舞い込んできた懐かしさと、じわじわと蘇る父親としての自覚は、そう簡単には消えなかったのだと思う。

とにかく、娘に会いたい一心で、お父さんは母に連絡をした。

 

 

「会わせたくない。また何らかのわがままであの子を傷つけるに決まっている。」

 

連絡がきて、真っ先に浮かんだことは、未来の娘への心配だった。

一度こうしたい、と思うと何が何でも実行しないと気が済まない元旦那と離婚してから約8年。きっと内面は変わっていないのだろうと諦めるにしても、少しはマシになったのか...?と大人な対応に期待するにしても、あまりにも時期が早すぎた。

 

血の繋がった父親の存在を伝えるということは、目の前にいる父親は血が繋がっていないと伝える、ということ。

血のつながりなんて関係ない、と思っていても、それがしっかり伝わるとは限らない。

離婚についても、兄がいることについても話さないといけない。

私が高校に進学したぐらいに、これらのことを話そうと思っていた母にとっては、あまりにも唐突だった。

 

私の娘だから、大丈夫。愛情をかけて、今の旦那と一緒に育ててきたんだから、と思う一方で、10歳の娘が理解できるような柔らかい言葉で、事実と思いを伝えられるだろうか、と不安だった。

あと6年待ってほしい、なんて言葉はあの人には伝わらない。きっとこれから、1秒でも早く会わせろと言わんばかりに騒ぐのだろうと思うと、気分が滅入る。

 

案の定、話し合いをしても平行線が続くばかりで、何度も家庭裁判所に通った。

 

怒る気持ちをぐっと堪え、婚姻中、元旦那にいかに振り回されたのか、現在の生活を保つことこそが娘にとって大事なのではないか、と淡々と家庭裁判所調査官に説明する母。

「でも、彼(お父さん)は、上を向き目頭を抑えて、今まで娘を忘れたことはない、娘に会いたいと訴えていたんですよ。」という返事を聞き、はあ(゜Д゜)?? と思ったらしい。

 

 「どの口が言うとんねんと思ったね!こんな風に目頭おさえちゃって!こんな風に!」と話す母は、お父さんの真似をしたという当時の家庭裁判所調査官のマネをしながら、少しバカにしていた。

「ママも涙ながらに訴えた方が良かったのかしら?冷静さを保っていないと思われるんじゃないかと思って、強がっちゃったの!(笑)」という母の言葉は、もしかしたら家庭裁判所にお世話になったことある人あるあるなのかもしれない、と思った。人生において、演技力は結構な場面で必要なのでは、と。

 

「早く会いたい。」と「もう少し待ってほしい。」の間で揺れた家庭裁判所調査官は、自分の感情が揺さぶられた方の気持ちを優先したらしい。

 

結局、「このまま話が平行線だと、娘さんにも家庭裁判所にきていただいて、意見を聞くことになります。」と言われ、母が歩み寄る結果となった。私が家庭裁判所に行くことになったら、元も子もないやん。 

 

このような経緯があって、私はお父さんと再会することになった。

後日談を聞くと、本当に、お父さんは昔から変わらずわがままな男の人って感じだったのかな、と思う。 会いたくなかった、なんて思ってないから別にいいけど、それにしても、君はわがままだなぁ、と。

 

そして、再会後、少ししてまさかの(ほぼ)絶縁状態に。

そりゃあ、電話口で母がお父さんに怒鳴るのも分かる。私が同じ立場でも、めっちゃ怒る。あんなに労力と時間を使わせておいて、挙げ句の果てに大切なものを傷つけやがって!!ってなりますよね。

 

そんなことを思いながら、私はまるで「おもちゃ」だな、と思った。

商店街で私を見かけてから、どうしても諦められなかったというお父さん。そんなにも熱を上げて何かを欲する時って、大体突発的なとき。

店内のショーケースに、そういえば昔欲しいと思っていたけど手に入らなかったおもちゃを見つけて、今なら買える!と思ったとき。+こんなところで巡り会えるなんて!という運命も感じていらっしゃる。

目の前にあるのに買えないなんてやだやだやだ〜!!これは僕に買ってもらうためにあると言っても過言ではないよ〜!と駄々をこねるような感覚だったのではないかと思った。

こんな近くに住んでいるなら会えるじゃん〜!会〜い〜た〜い〜!みたいな。

 

でも、いざ買ってもらうと、7割ぐらいの人間は、それで満足してしまう。

共感する女性が多いショッピングあるあるの1つに、「もっとも楽しいと思う瞬間は、商品をレジに通すとき。」だと聞いたことがある。

もしかしたら、お父さんもそうだったのかもしれない。いざ会ってみると、人見知りだし、懐かないし、あれ?と思わせてしまったのかもしれない。

そうでなければ、普通、自分から誘った買い物で、30分後にドタキャンなんてしない。

 

仮に、おもちゃが手に入らなかったとしても、次の日には案外ケロッとしているのが子供。あったらその時は嬉しいけど、なくても困らない。急に欲しくなったりするけど、持続することは滅多にない。

 

まるで私は「おもちゃ」だな、と思った。

一応、心ってものを兼ね備えているんだけどなぁ。 

 

結果として、今は(ほぼ)絶縁状態だけど、さすがに私も怒っていない。そういう人なんだなー程度で、何も思わない。お父さんとして、やってほしかったこともないし、私がやりたかったこともない。

これも、私の中でのお父さんは、「お父さん」という認識からは外れているからなのだと思う。

 

次に会うことがあるのならば、お互いの健康を確認したり、「お父さん、あのドタキャンは10歳の娘にはやっちゃダメだよ(笑)」とゆるふわに昔話でもできたらな〜、と思います。

 

今回の話は、以上です。

お父さんのことは全くもって嫌いではないけど、お父さんみたいな人とは一番結婚したくないな〜と思っています(笑)

 

次回は、2番目の父親である「パパ」について書きたいと思います。お父さんとパパの性格は真逆と言っていいほどです。

 

読んでいただき、ありがとうございました^^